ラグース リビング

「さぁどうぞ腰掛けて、と言っているようでしょう」と話すのは、イタリア在住のデザイナー吉野利幸氏。北海道産材を使った迫力のあるシェルで、人の体をすっぽり受け止める椅子です。ネーミングにある「GOOSE(ガチョウ)」は、「鳥の体が足によって地面から浮遊するように、家具も空間にふわっと乗っていてほしい」という氏の思いに由来。直線的なフォルムの脚がそれを想起させます。背と座はふっくら安楽でありながら、要所要所にエッジが効いた緩急ある仕上がり。クッション性、風合い、ステッチなど随所にこだわりが生きています。

吉野 利幸

1959年横浜生まれ。 1984年東京芸術大学美術学部工芸科鋳金研究室を卒業し同大学安宅賞を受賞する。その後、同大学大学院美術研究科機器デザイン研究室に進み1987年修了。同年より丹青社株式会社設計部に勤務する。1989年にはドイツ政府奨学金を受けドイツに渡り、ベルリン芸術アカデミーシュベービッシュ・ゲムントデザインアカデミー“フォルムランゲージ”の理論研究に携わっている。1990年よりパイオニア株式会社デザインセンターに勤務し製品開発にたずさわった後、93年にイタリア・ミラノに移り、翌年Studio Yoshino(現、Toshiyuki Yoshino Design)を開設した。1999年にはイタリア・ミラノに家具ブランド、エレムスリビングアート社を設立するなど、イタリアと日本を拠点に家具を中心としたプロダクトデザインを出掛けている。

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