一目惚れでした。
２０１６年、妻の実家がある旭川のショールームで見つけたのが、このラウンドテーブルとチェアのセットです。一人娘が小学校に上がるのに合わせ、「家族３人でゆっくり過ごせるダイニングセットを買おう」と初めての訪問でした。
ショールームで私たちの目に飛び込んできたのが、洗練さの中にラウンドならではの優しさが詰まったこのテーブルです。わくわくした気分で腰を下ろした椅子は座面が広く、絶妙なカーブを描くアームや背もたれは体にフィットし、手触りは柔らかでした。手作りならではのぬくもりもあふれ、即決でした。購入から６年、このテーブルと椅子には家族の思い出がいっぱい詰まっています。家族の誕生日祝い、友達と囲んだたこ焼きパーティー、コロナ禍で毎日楽しんだボードゲーム…。２回の引っ越しも経験しましたが、家族でくつろぐ場所はいつもここでした。
テーブルと椅子をオイルで磨くのが好きな私のお気に入りの傷もあります。テーブルで勉強していた娘が天板に刻んだつたないひらがなの文字です。その文字を見るたびに、椅子の先にちょこんと座って一生懸命に絵や文字を書いていた当時の娘を思い出し、ほっこりした気持ちになります。
そんな娘は今春、中学生になりました。テーブルで勉強しなくなった代わりに、オンライン授業などでタブレットを開く時間ができました。私もこのテーブルでテレワークをする機会が増えました。生活様式は日々変わっていきますが、この場所で過ごす家族の大切な時間は変わりそうにありません。
